事業内容

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一般の方向け

このページでは一般の方向けに、当社事業に関連のある医療用語の解説も含めて事業内容をご説明をいたします。以下に並ぶ用語の説明が不要な場合には「研究者・医療従事者向け」のページもご用意しておりますので、そちらをご覧ください。

免疫とは?

免疫は、私たちの体の中に備わる細菌・ウイルスといった病気の原因と戦う防御システムです。免疫は常に体内を監視し、がんやインフルエンザ等の感染症といった多くの疾患から私たちを守るはたらきをしています。

免疫の役割は、「見つけて、倒して、記憶する」と表現されます。

見つける(抗原認識)

免疫は外敵をいち早く見つけ、
さらに仲間を呼んで戦います。

特徴
高感度・高情報量
見つける(抗原認識)

倒す(細胞障害性)

細胞を総動員し外敵を攻撃して倒します。

期待できること
細胞療法・創薬標的
倒す(細胞障害性)

記憶する(メモリー)

外敵の情報を記憶し、次の侵入・出現に備えます。

利用方法
体内で蓄積されてきたデータを活用し予測・診断する
記憶する(メモリー)

健康な人の体の中では、このような免疫が正常に作動しているのですが、時には何らかの理由で免疫が暴走し、自分の体を外敵と見なして傷つけてしまうこともあります(関節リウマチ等)。このような免疫が原因の病気は「自己免疫疾患」と呼ばれ、その多くが難病です。このように免疫は多くの場合体を守るはたらきをしているのですが、病気の原因となることもあります。

当社はこのような免疫を理解し、その特性を活かして今よりもより良い医療が実現できるよう、研究開発に取り組んでいます。

バイオマーカーとは?

バイオマーカーとは、病気の診断や進行度・病状の把握、治療法選択など様々な目的に使われる指標のことです。健康診断の際の血圧や心拍数、血液検査の各項目もこれに該当します。

病気によってはそういった指標が確立されていなかったり、お医者さんの経験に大きく依存するものであったり、感度が低いものだったりと、まだまだ改善の余地が残されています。さらに、今後より患者さん個人個人に合った有効な薬の開発のためには、実際に薬が有効かどうか、副作用は出ないかどうかを個人ごとに判断することが求められており、新しいバイオマーカーを開発するニーズが生まれています。

当社は、このような医療ニーズや患者さんのニーズに応えられるよう、人間の免疫に基づく新しいバイオマーカーの開発に取り組んでいます。

創薬標的とは?

創薬標的とは薬を作る際の標的となる物質です。薬は標的に結合することでその機能を発揮します。これまでの多くの研究者や製薬会社の貢献によって、多くの薬が生まれ、患者さんの元に届けられてきました。しかし、その薬が標的とする物質の数は限られており、新しい薬の数に比べ、新しい標的はあまり見つかっていません。薬は標的に対して作られるため、新しい標的を見つけることは非常に重要です。

当社は免疫ビッグデータの解析に基づく新しいアイデアと手法に基づいて、新しい創薬標的の探索を行っています。これによって、これまで良い治療薬がなかった病気や患者さんにも新しい薬が届けられるようになることを期待しています。

免疫レパトアとは?

免疫が特定の標的(ここでは創薬標的ではなく、免疫が攻撃する標的)を認識し、記憶するために、各細胞の上に受容体(センサー)が用意されています。個々の標的は別々の受容体によって認識されるように設計されているため、膨大な種類の受容体(1兆種類以上とも言われます)と、それに伴う膨大な数の細胞が体の中に存在し、免疫システムとして稼働しています。免疫レパトアとはこの膨大な種類の受容体の全体を指し、その人が持つ標的攻撃能力を表しています。

免疫レパトア:異なるT-/B-細胞の受容体の総体

当社はこの免疫の標的攻撃能力を表す免疫レパトアに着目しています。免疫レパトアは膨大で複雑な情報ですが、独自に開発したAI技術と免疫学の知見を駆使することで解析し、バイオマーカーや創薬標的を探しています。

KOTAIの技術・強み

KOTAIは免疫学の「メッカ」として世界的に有名な大阪大学の免疫学とAIを駆使した情報学の融合研究から生まれました。当社は世界でも数少ない免疫AI解析の専門家です。

当社は膨大な多様性を持つ免疫レパトアの中から、特定の病気の患者さんや、ある薬が有効な患者さんといった、特定の人のみが持つ受容体グループを探し出す高感度で高速な技術を有しており、感度・速度ともに世界トップです。これを用いれば非常に稀で重要な受容体を見つけたり、逆に数千人規模の非常に多くの人の解析を行ったりすることができます。

これらの解析は当社独自のAI解析によって初めて可能になります。従って、非常に新規性が高く、ユニークなものです。当社はここで見つかった受容体・受容体グループを新しい創薬標的、バイオマーカーとして用いることができないか研究を行なっています。

KOTAIの技術・強み

創薬標的やバイオマーカーを探索するAIプラットフォーム

標的疾患について

免疫が関わる疾患は非常に幅広く、種類も豊富で多くの患者さんがいらっしゃいます。その中でも当社は、がんと自己免疫疾患領域に注力しております。さらに、感染症領域についても国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の助成に基づき、研究を進めています。