- 組織内の細胞の位置情報を保ったまま、空間上のRNA発現解析
- HE染色画像と、遺伝子発現マップを比較検討
- HD 3’で対応生物種が拡大
Visium HD WT/3’ 空間的遺伝子発現解析では組織切片から、細胞の位置情報を保持したまま、全トランスクリストームの遺伝子発現解析を行うことが可能です。
Visium HD WT/3’ 空間的遺伝子発現スライドには、6.5 x 6.5mmの解析領域(キャプチャーエリア)が2つ搭載されています。各キャプチャーエリアには、数百万もの2 x 2µmの正方形が並んでおり、それぞれユニークなバーコード付きのオリゴヌクレオチドが連続的に配置されています。これによりシングルセルスケールの空間分解能を実現しています。

解析可能なサンプル
アプリケーション | Visium HD WT | Visium HD 3′ |
---|---|---|
生物種 | ヒトまたはマウス | Poly(A) tailを持つ生物種 |
サンプル | FFPE/新鮮凍結切片/固定凍結切片 | 新鮮凍結切片のみ |
解析メカニズム | 全トランスクリプトームパネルのそれぞれの標的遺伝子に対するプローブを使用して組織中の発現遺伝子を検出します | 3′ Poly(A)キャプチャにより、全トランスクリプトームカバレッジを検出します |
ターゲット遺伝子 | ヒト:18,000 遺伝子 マウス:19,000 遺伝子 |
トランスクリプトーム |
サンプル受け入れ条件 | 詳細情報ページにまとめております。 |
解析例
SpaceRangerによる解析結果をLoupe Browser 8.0で開いたところです。
ライブラリ調製前に組織をH&E染色し、染色画像と遺伝子発現解析マップを重ね合わせることで、細胞の特徴と実際の遺伝子発現を比較できます。
- Loupe Browser(無償)のダウンロードはこちら(10x Genomicsサイトへ飛びます)
- 10x Genomics が提供している解析例:HD WT Mouse Brain FFPE、HD 3’ Human + Mouse Xenograft (Fresh Frozen)(10x Genomicsサイトへ飛びます)
- 二次解析については、バイオインフォマティクス情報解析のページをご確認ください
納品物
委託範囲により下記のようになります。
当社でシーケンスを受託する場合
- Fastqデータ
- Space Ranger解析結果
- Web Summary
- cloupeファイル
- Matrixファイル
- csvなど
- 画像データ
- H&E染色画像ファイル
- CytAssistイメージ
- 情報シート
(解析方法や使用試薬などをまとめたもの) - 実験情報まとめ
(ライブラリの測定結果)
お客様がシーケンスをされる場合
- ライブラリー
- 情報シート
- 実験情報まとめ
- 画像データ
- H&E染色画像ファイル
- CytAssistイメージ
料金・納期
受託内容 | サンプル | 生物種 | 金額(税別) | おおよその納期 |
---|---|---|---|---|
Visium HD WT(6.5mm) | FFPE切片/新鮮凍結切片/固定凍結切片 | ヒトまたはマウス | 2,550,000円(2解析領域あたり) | 6週間 |
DV200測定 | FFPE切片/固定凍結切片 | ヒトまたはマウス | 40,000円(1サンプルあたり) | 1週間 |
ISH測定 | FFPE切片 | ヒトまたはマウス | お問い合わせ | |
Visium HD 3′ (6.5mm) |
新鮮凍結切片 | 動物組織 | 2,750,000円(2解析領域あたり) | 6週間 |
RIN値測定 | 新鮮凍結切片 | 動物組織 | 30,000円(1サンプルあたり) | 1週間 |
スライド作製 | お問い合わせ |
Visium HDは2解析領域で1試験の実施です。(お問い合わせ下さい)
ご依頼前のチェック項目
サンプル受け入れ条件、事前ご確認事項を「詳細情報」ページにまとめておりますので、ご確認ください。
よくあるご質問
Visium HDで解析できるサンプルは何ですか
以下の10x社ホームページに記載がある組織で、VisiumHDの再現性が確認されています。こちらに載っていない組織でもご委託は可能ですが、結果の保証ができない点について、ご了承いただく必要がございます。
- Visium HD WT Spatial Gene Expression Tested Tissues(10x Genomicsサイトへ飛びます)
Visium HD WTの場合は、ヒトとマウスの組織で解析が可能です - Visium HD 3’ Spatial Gene Expression Tested Tissues(10x Genomics サイトへ飛びます)
Visium HD 3’の場合は、マウス以外の真核生物で解析が可能です
全トランスクリプトームパネル(Visium HD WT用)に含まれる遺伝子リストはありますか
以下の10x社ホームページからそれぞれのCSVファイルを取得してご確認いただけます。
- Visium Human Transcriptome Probe Set v2.0(10x Genomics サイトへ飛びます)
- Visium Mouse Transcriptome Probe Set v2.0(10x Genomics サイトへ飛びます)
ヒトやマウスの近縁種であるサルやラットでの解析は可能ですか
Visium HD 3’の利用をご検討ください。但し、新鮮凍結切片のみが対応です。
FFPEサンプルや固定凍結サンプルの場合は、Visium HD WTのヒトまたはマウスパネルを用いて解析が可能です。種の違いにより、検出出来ないプローブやターゲットと異なる遺伝子にハイブリしてしまう可能性のあるプローブがありますが、多くの遺伝子については解析が可能です。詳細はお問い合わせください。
Visium HDの解像度はどれくらいですか
Visium HD のキャプチャーエリアには、数百万もの2 x 2µmの正方形が並んでおり、それぞれユニークなバーコード付きのオリゴヌクレオチドが連続的に配置されています。

納品物は何でしょうか
お客様がシーケンスをされる場合、ライブラリを作製しお送りします。当社でシーケンスを含め受託する場合、シーケンス結果のFastqファイルとSpace Ranger(解析ソフトウェア)での解析結果のデータをお送りします。
自分でシーケンスする場合、シーケンスの条件はどのようにしたらいいでしょうか
10x Genomics社のVisium HDアプリケーションでは、以下の条件でのシーケンスが推奨されています。より詳しい情報では、10x Genomics社のSequencing Handbook(10x Genomicsサイトへ飛びます)を参照してください。
- Visium HD WT
リード数:2.75億ペアリード/サンプル(切片の解析領域カバー率が100%時)
Read 1:43 cycle
i7 Index:10 cycle
i5 Index:10 cycle
Read 2: 50 cycle
- Visium HD 3’
リード数:5.5億ペアリード/サンプル(切片の解析領域カバー率が100%時)
Read 1:43 cycle
i7 Index:10 cycle
i5 Index:10 cycle
Read 2: 75 cycle
データはどのように保管されますか
解析データやお客様のサンプル情報等は納品後、3ヵ月まで当社内で保管しています。3ヵ月を経過すると廃棄しますので、予めご了承ください。保管期限後のデータに関する追加依頼の際には、データをご返送いただく必要がある可能性があります。