AMED「ウイルス等感染症対策技術開発事業」採択のお知らせ

KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)が公募した令和2年度 「ウイルス等感染症対策技術開発事業」において、「SARS-CoV-2感染者の高精度・高機能免疫モニタリング技術開発(研究開発代表者:山下 和男)」が採択されましたので下記の通りお知らせいたします。

1. 採択された事業及び内容

「SARS-CoV-2感染者の高精度・高機能免疫モニタリング技術開発」

本事業において、当社は国立感染症研究所および大阪大学と協働し、COVID-19から回復した被検者試料を用いて、SARS-CoV-2ウイルスに対する特異的中和抗体*1)の評価方法を開発します。また、抗体に比べ長期に維持される免疫を担うメモリー細胞*2)を評価するために、免疫レパトア解析も併せて実施します。COVID-19患者の免疫応答については、これまでいくつかの報告がされていますが、日本人のデータは不足しています。日本人のHLA*3)背景に基づく研究を進めることにより、本邦におけるCOVID-19患者の重症化リスクやワクチンの効果の予測がより正確にできるようになると考えております。

なお、本事業の成果を早期に皆様に還元すべく、積極的な企業間の連携も並行して進めてまいります。

2. 研究組織

研究開発代表者 山下 和男(KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社 代表取締役)
研究開発分担者 黒崎 知博(大阪大学免疫学フロンティア研究センター分化制御 特任教授)
研究開発分担者 立川 愛 (国立感染症研究所 エイズ研究センター 室長)

3. 研究開発予定期間

令和2年10月1日 – 令和3年9月30日

以上

用語説明

*1)中和抗体

抗体の中でも、ウイルスの増殖を止めるはたらきをすることができる特殊な抗体。ウイルス防御の鍵となる。ウイルスごとに中和抗体は異なり、SARS-CoV-2に対する中和抗体をSARS-CoV-2ウイルス特異的中和抗体と呼ぶ。

*2)メモリー細胞

血液の中にある白血球に含まれるリンパ球と呼ばれる細胞の一種。一度出会った抗原を記憶して長期間生存している。同じ病原体に再感染した際に活性化し、感染防御や病原体を早期に排除する役割を担う。

*3)HLA

ヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen)の略号で、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の産物。赤血球を除くほぼすべての細胞に分布し、自己と非自己の識別に関する免疫機構と指定働いている。